鍼灸師の難易度は? 必要な勉強時間の目安と勉強法のコツ!
鍼灸師は、鍼(はり)・灸(きゅう)を使ったマッサージ師になる貯めに必要な国家資格です。
今回はそんな鍼灸師の難易度についてまとめました。
合格率や必要な勉強時間の目安、勉強法のコツやおすすめの参考書など、鍼灸師の資格取得に必要な情報をまとめてるのでぜひ参考にしてください。
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鍼灸師ってどんな資格?
鍼灸師の特徴
鍼灸師は厚生労働省認定の国家資格で、正式には『はり師』と『きゅう師』の異なる2つの資格となります。
しかしこれは同時取得が可能であり、片方のみ国家試験を受験する人は皆無なので、1つの資格として紹介します。
基本的に『はり』は『鍼』、『きゅう』は『灸』と書き、鍼は身体に鍼を刺入することによって、灸は艾と呼ばれる物質を燃やすことで熱を加え、患者の苦痛を軽減する技術です。
『はり師』『きゅう師』はこの技術を持つことを証明する資格となります。
鍼灸治療は古代中国を発祥とする東洋系医療技術ですが、鍼は奈良時代ごろに日本に伝わってから国内で独自の進化を遂げ、現在は中国鍼と日本鍼は全く別物と言って過言ではないものとなっています。
街中の鍼灸院など以外にも、現在では病院、美容、介護などの現場で活躍する鍼灸師もいます。
鍼灸師はどう役立つ?
鍼灸による施術は日本では『はり師』と『きゅう師』の業務独占となっています。
つまり『はり師』『きゅう師』の資格を取得しなければ鍼灸施術を行うことも、仕事にすることもできません。
国内のあんまマッサージ指圧・はり・灸・柔道整復院などでは『はり師』『きゅう師』の資格を持つことを雇用条件としているところも多くあります。
また『はり師』『きゅう師』には開業権、出張権が認められており、独立開業を目指すこともできます。
鍼灸師の難易度は?
取得難易度は医療系の最難関である『医師』『歯科医師』『獣医師』『薬剤師』に比べればはるかに容易です。
また『看護師』などに比べても難易度はやや低いです。
鍼灸師の資格は独学やカルチャースクールで取得することは不可能で、国の指定学校を卒業することが必須条件となっています。
3年間の在籍の後、必要単位を取得して初めて国家試験の受験資格がもらえます。
しかし適当に勉強していれば受かるというほどの難易度とは到底言えず、よほど勉強が得意な人間でもない限りは3年間真面目な勉強が必要となります。
卒業時には入学時の30%以上の生徒が退学・留年になっていることもざらであり、さぼっているとあっという間に脱落してしまいます。
勉強内容は座学と実技になり、これは学校によって多少のばらつきがあるため一概には言えませんが、おおむね座学が8、実技が2となります。
国家試験は筆記のみであり、実技は学校での認定をもらえればパスできます。
この点は自動車免許の取得時の教習所と同じ関係と言えます。
合格率はどれくらい?
『はり師』『きゅう師』の合格率は、2011年以前まではおおむね80%前後で推移してきました。
しかしそれ以降は試験の難化が続いており80%を上回った年がなく、70%台を維持しています。
そして2017年は『はり師』67%『きゅう師』67%、2018年には『はり師』57%『きゅう師』62%まで低下しました。
この難化傾向は厚生労働省が鍼灸師の高い質を求めていることを反映しており、今後も続くものと思われます。
最も、この合格率は鍼灸学校の既卒者を含めた全受験者人数での割合です。
現役学生の新規合格率はおおむね90%程度となっています。
卒後浪人をした場合の合格率は非常に低いということです。
独学でも取れる?
無理
資格取得までに必要な勉強時間の目安は?
まったくの知識ゼロの人
学校の授業時間が2018年度から変更になるため、ここでは2017年度までの必要時間目安を書いておきます。
鍼灸師の学校の授業時間は1日2コマ、週5日となっています。
1コマが1時間30分ですので、週に15時間、4週プラス2日で月に66時間。
夏休み、冬休み、春休みなどを除くと660時間程度となります。
しかし知識がない人は予習復習にそれぞれ同程度の時間を割かねばついていけないので、年間だと2000時間ほどとなります。
これが3年間で6000時間ほど必要です。
一日平均で5時間以上勉強する必要があり、平日は授業後に2時間、土日は5時間ずつ自宅学習をするくらいでないと厳しいです。
2018年度からは授業時間がかなり増えるそうですので、実際にはこの5割増しほどになると思います。
すでに多少の知識はある人
他の医療系の資格を持っている人は、西洋系の科目はかなり容易になります。
知識がない人の半分程度の時間で十分と思われ、3年で3000時間程度、平日は授業後に1時間程度、休日に1日2時間程度勉強すれば十分と思います。
鍼灸師の勉強法のコツは?
医療系の知識がない人はまず解剖学と生理学を徹底的に学ぶ必要があります。
筋肉、神経、血管、臓器、内分泌物質などの作用、位置、組み合わせです。
はっきり言ってこれを覚えるだけで3年はあっという間に過ぎます。
そしてこれらが理解できないとすべての問題が解けないため、とにかくひたすら暗記を行う必要があります。
まずは鍼灸師が最も扱う機会の多い、筋肉と神経の名前、位置を覚えることから始めましょう。
国家試験は150点満点で90点以上を出せば合格となりますので、試験直前はとにかく点を取りやすいところを集中的に勉強する必要があります。
最も点を取りやすいのは経穴に関する問題であり、これは範囲がかなり限られている割には点数配分が高いのです。
1年生の1学期から最後まで勉強し続けることになります。
逆に解剖学と生理学は全ての基礎でありここが適当だと全ての教科の点数が下がりますが、あまりにも範囲が膨大なためピンポイントで点になるというものではありません。
そのため、試験の直前には避けるべき科目でもあります。
解剖学と生理学は基礎を抑えて簡単な問題を落とさないようにすること。
そして経穴に関しては全てを覚えて満点を目指すことが全体の点数を引き揚げるコツになります。
すでに医療系の知識がある人は解剖、生理、病理、臨床医学各論、臨床医学総論などの問題は比較底容易に解けるはずです。
問題となるのは東洋系の勉強であり、経脈、経穴、陰陽説などの鍼灸独特の考え方を理解するのに時間がかかるという点です。
おそらく、勉強の中心はこの東洋系となることと思います。
現代科学の常識では理解できない論理が展開されますので、一度頭を空っぽにする必要があります。
オススメの参考書は?
多くの学校で指定教科書になると思われますが、医歯薬出版株式会社が発行する
- 解剖学
- 生理学
- 臨床医学各論
- 臨床医学総論
- 経絡経穴概論
- 東洋医学概論
- 関係法規
- 衛生学
- リハビリテーション医学
- はりきゅう理論
をメインに使用してください。
国家試験はほぼ100%この中から出題されます。
しかしこれらは重くかさばるので、呉竹学園の発行している『ダイジェストスタディ』シリーズを入手しましょう。
上記の教科書の要点のみをまとめた参考書で、これがあれば学校の定期試験はおおむねパスできるはずです。
あとは『医道の日本社』から出版されている『経穴インパクト』が持ち運びやすさと正確さでは群を抜いています。
経穴を覚えるのであれば是非入手したいものです。
鍼灸師の基本情報
試験の受験料 | 7,500円 |
---|---|
試験日 | 年1回 2月 |
試験会場 | 北海道、宮城県、東京都、新潟県、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、鹿児島県及び沖縄県 |
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